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看護領域 がん看護CNSコース

がん看護CNSコースについて

 平成23年4月にCNSコース(がん看護)を設置し、ヒューマンサービスを基軸に、保健医療福祉の総合化と専門性の深化を目指し、多様な医療職の専門性を前提に連携?補完しあうチーム医療のキーパーソンとなりうるがん看護専門看護師の育成に取り組んできました。

 病期を問わずがん患者とその家族が体験する複雑な症状や解決困難な問題に対して、科学的根拠を基盤とする知識?技術を用いた高度な臨床判断基づく緩和ケア、全人的で創造的な緩和ケアを他職種と連携して包括的に提供できる人材育成を目指しています。また、がん看護の質の向上のための教育?研究的な取り組みをリードする能力を有し、がん看護専門看護師として、基幹病院や緩和ケア病棟において、がん看護の向上に取り組む人材を育成します。

 

 

※説明会に出席できない場合、ご不明点がある場合等、何かございましたら、

 募集要項(6月上旬公開予定)に記載されている問い合わせ先にご連絡ください。

研究テーマ

?診断から終末期に至る療養過程における緩和ケアに関する研究

?チーム医療?療養の場の移行における連携?調整に関する研究

?患者?家族、医療者のストレス対処に関する研究

?治療や療養の場の移行期にある患者?家族の意思決定に関する研究

具体例(修了生のテーマ)

 ?化学療法の中止を告げられた高齢大腸がん患者の療養生活に関する家族の合意形成

  ~主たる介護者の視点から~ (2018年度)

 ?緩和ケア病棟への転院を決めた終末期がん患者の意思決定プロセス(2018年度)

 ?再発造血器腫瘍患者が思春期の子どもに病気を伝えるプロセス(2020年度)

 ?下肢リンパ浮腫を発症した婦人科がん患者が就労を継続する過程(2020年度)

 ?緩和ケア病棟の看護師ががん患者のせん妄に気づく手がかり(2020年度)

 ?呼吸困難がある肺がん患者に関わる看護師の感情体験(2020年度)

修了生からのメッセージ

大道 美保 さん
大道 美保 さん

 CNSコースでは、講義?実習を通し、実践の根拠としてエビデンスを活用する能力、全人的な視点で多角的に問題解決する力を培うことができました。特に実習で鍛えられた、組織の中で自分の役割を分析し考えを適切に主張し役割開発していく能力は、どのような組織に対してもアサーティブに介入していける自信になっています。また、自身の課題に直面した際は、知識の修得だけではなく、内省し新たな価値への気づきが得られるよう教員の方々が指導してくださり、自分自身と向き合いながら成長することができました。授業では他領域の方と討議する機会もあり、多職種と理解し合い協働していくことへの視野も広げることができました。

担当教員

指導教員

野村 美香 教授

 

 がん医療の進歩は目覚ましく、治療や療養の場の選択肢が増えて、がんに罹患した人々の療養生活は多様化し、生じる問題も複雑化しています。

 がん看護CNSコースは、少人数でじっくりと学ぶ、他職種と学ぶ、がん専門病院から訪問看護の臨床での幅広い実習が特徴です。がんとともに生きる人、チーム医療や地域連携で関わる人、それぞれの視点から実践を問い直すことで、課題を解決する手がかりが発見できます。また、これまで「よい」と思っていたことにも、より良い方法や深淵な意味が潜むことに気づき、自分の成長を実感できるでしょう。

 振り返ってみると、私は、看護師として、研究者として、教育者として、出会った人々に導かれるように、がん患者と家族の支援となる実践?研究に取り組んできました。がん看護CNSコースの開設には、「知識をもった信頼できるナースを育てる」ことを託して、逝った友人との出会いがあります。本学には、がん看護専門看護師を目指すあなたのマイルストーンになる出会いが待っています。がんとともに生きる人々の苦痛を緩和し、その苦悩を癒すケアのエキスパートを目指す皆さんと、ともに悩み、ともに笑い、ともに学べる日を心待ちにしています。

指導補助教員

小林 珠実 准教授

 

 私は看護師として診断期から終末期に至るがんの患者さんと長くかかわらせていただき、現在はがんCNSの育成にかかわらせていただいております。

 がん患者さんとご家族の多様なニーズに応えるには、倫理的感受性を磨いていくことが大切だと日々実感しています。大学院のゼミでは、より質の高い看護が提供できるよう、全人的側面から統合して看護実践につなげるよう、院生の皆さんと真剣に語り合える時間を大切にしたいと思います。

 現在、取り組んでいる研究や関心のあるテーマは、緩和ケアを受ける患者家族に関する研究、医療者の悲嘆に関する研究、治療や療養の場の移行に伴う患者家族の倫理的課題の解決に向けた研究などです。

 ともに学びましょう。

 

土井 英子 准教授

 

 がん患者と関わる中で、“看護を実践できているのか”と自問し悩んだことが、がん看護を学ぶきっかけでした。理論や概念、研究成果を活用して実践を振り返ることにより、絡み合っていたことが一つずつほどけていき、患者を捉える視点の拡がりと学ぶ面白さを感じました。現在は、化学放射線療法を受ける頭頸部がん患者にとって苦痛な症状である口腔粘膜炎に関する研究に取り組んでいます。患者は、試行錯誤しながら口腔粘膜炎の対処の仕方を身に着けていきます。このようなわかる体験を積み重ねて、治療を完遂する力を得ていくと考えています。がん看護について学び、よりよい看護実践について悩み、考えていきましょう。

お知らせ?活動報告

4月 入学式?オリエンテーション

6月 大学院説明会

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