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出産を取り巻く大きな環境の変化を踏まえた助産学実習の在り方

瀬谷 絵莉佳

博士後期課程

看護系 修了

神奈川県立保健福祉大学に入学を決めた理由

研究者として尊敬でき、指導を仰ぎたいと思える存在がいたことが1番の決め手でした。研究の質を高めるには、研究内容についての意見交換が大切だと考えています。この大学には、積極的に考えや思いを伝えることができる環境がありました。そして、私の話に耳を傾け、率直な意見をくださる教員が多くいてくださるおかげで、研究活動を進めることが出来たと感謝しています。

研究生活について

私は、出産を取り巻く環境の大きな変化を踏まえた助産学実習の在り方について研究しました。少子化の進行や高年初産婦の増加などを背景に、助産師教育ではハイリスクな状況にも対応できる助産師の養成が意識されています。しかし、資格を有しておらず、経験が浅い助産学生にとって、ハイリスクな状況下に置かれる母子への対応は容易ではありません。そのため、私は、助産学実習の在り方を研究しようと考えました。
昼は教員として看護師?助産師基礎教育に携わり、主に夜間や休日を研究活動に当てました。特に昼夜休日問わず、学生対応にあたる必要がある助産学実習期間は、頭を切り替えることが難しく感じた時もありましたが、職場の上司や同僚に支えられただけでなく、研究中にも可能なリフレッシュ方法を編み出せたことで、この生活をなんとか乗り越えられました。

博士後期課程修了までの3年間の各年次で取り組んだこと、アドバイス

<1年目に取り組んだこと>

?5月頃 指導教員と研究計画の再検討

?11月頃 3年間の研究スケジュールの明示

?1月頃 研究計画審査受審/研究①(文献レビュー?副論文)執筆開始

<アドバイス>

3年間で新たな研究に取り組むため、入学後に時間をかけて研究計画を洗練する必要がありました。倫理審査受審にかかる期間などを逆算し、早めにスケジュールを整理することをお勧めします。3年間で修了するための予定表を指導教員に明示したことが、自分を律するのに有効でした。

 

<2年目に取り組んだこと>

?4月頃 研究①学術誌投稿/研究②倫理審査受審

?11月頃 研究②専門家からの解析指導?学術集会発表/研究③倫理審査受審

?3月頃 研究の進捗確認とスケジュール調整

<アドバイス>

学術誌への論文掲載は、博士後期課程の修了要件です。査読と修正を繰り返すため、採択までに時間を要します。早めの準備がお勧めです。また、2年目にはデータ収集が完了していることが理想です。

 

<3年目に取り組んだこと>

?7月頃 研究③データ収集終了

?9月頃 予備審査用博士論文提出締め切り

?1月頃 最終審査用博士論文提出締め切り

<アドバイス>

研究参加者のリクルートに苦戦し、データ収集に時間を要しました。9月には完成版に近い博士論文を執筆し、予備審査を受審しなければいけません。限られた時間の中で、新規性のある研究成果を出し、論文として形にするのはとても大変な作業です。指導教員と密にコンタクトを取り、定期的に進捗を報告し、指導いただきながら進めることがとても重要です。

研究科の仲間について

看護系である私の同期には、栄養?社会福祉?リハビリテーション系と全領域の専門職が揃っていました。政策を考える課題に取り組んだ時には、全員で夜中まで奮闘したこともありました。直接会う機会は限られていましたが、院生同士の絆を実感していました。研究への意見交換だけでなく、様々な締め切りを確認し合うなど、一緒に修了することを目標に支え合いました。何時間でも語り合える個性豊かな同期に出会え、かけがえのない経験ができました。

学習環境について

修了に必要な単位取得に関わる科目の授業は、基本的に平日の夜間と土曜日に開講されます。ただ、時には平日の日中にも開講されるので、社会人である私たちにとって、オンラインでの授業や研究発表会が導入されていたことは、とても救いでした。また、事務手続きや研究発表会の運営など、大学院事務の方々がきめ細やかに対応してくださりました。指導教員以外の教職員の方々も、学内でお会いすると、声をかけ、研究の進捗状況を気にかけてくださりました。とても温かい研究環境に恵まれました。

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